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聞こえの基礎知識

補聴器を使用する前に知っておきたい!聞こえの基礎知識について

[公開日] 2020.6.1

[更新日] 2020.6.1

「耳」といえば外見から見える部分(正式には耳介と呼びます)を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、外耳から脳に至るまでの聴覚機能全体を見渡すと、外見から見える部分は、聴覚機能のほんの一部にすぎない事がよく分かります。

聞こえの仕組み
耳は「外耳」「中耳」「内耳」の3つに大別されます。①耳介で集められた音は、②外耳道から③鼓膜に伝わり機械的な振動に変わります。鼓膜の振動は、中耳の④耳小骨と呼ばれる小さな骨の連なりを動かし、内耳の⑤蝸牛にある有毛細胞を刺激させ電気信号へと変換されます。そして、電気信号は⑥聴神経を伝わり言葉や音楽などとして脳で認識されます。

外耳(outer ear)

外耳には、「耳介」「外耳道」「鼓膜」などがあります。耳介には音を集める集音効果があることは比較的よく知られていますが、一端を鼓膜で塞がれた外耳道(耳あな)にも「外耳道共鳴」と呼ばれる共鳴効果があります。空き瓶に水を入れて息を吹きかけると笛のように「ボー」という音がするのが外耳道共鳴によく似ていますが、もちろん耳から音が出ているわけではありません。外耳道では、この共鳴効果によって、高い周波数が増幅され鼓膜に音を伝えています。

あまり知られていない耳垢そうじのおはなし 

意外と知られていませんが、耳垢は外耳道の自浄作用により自然に外部に排出されます。また、耳垢には細菌などから外耳道を守るための役割もあるため、基本的に耳垢掃除は不要と言われています。しかし、習慣的に耳垢掃除をしないと気が済まないという方も多いはず。

どうしても耳垢掃除をしたい!という方は、綿棒や柔らかいタオルなどを使って外耳道の入り口付近の耳垢だけをそっと取り除くようにして下さい。

もっと奥まで綿棒を押し込まないと物足りないと思う方がいるかもしれませんが、無理に奥まで掃除をしようとすると、耳垢をさらに奥に押し込んでしまったり、外耳道や鼓膜を傷つける可能性があり大変危険です。 

ご自分で耳垢掃除をするのが不安という方は、耳鼻科で耳垢掃除をしてもらうのがいいと思います。耳垢掃除くらいで耳鼻科を受診するのは気が引ける...と思うかもしれませんが、耳垢除去は保険診療でも認められている立派な医療行為なので、たかが耳垢と思わず、とくに耳にかゆみや痛み、聞こえにくさを感じたら早めに耳鼻科を受診しましょう!

中耳(middle ear)

中耳には「耳小骨」や「耳管」があります。耳小骨は3つの小さな骨で構成され、ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨という名前があります。耳小骨には鼓膜からの音のエネルギーを「テコの原理」でさらに増幅して内耳に伝える役割があります。耳管は鼓室(中耳腔)から鼻の奥(咽頭)をつなぐ管で唾を飲み込むなどの嚥下(えんげ)運動を行うと耳管が開閉して鼓室内の圧力調整ができる仕組みになっています。

耳が「ツーン」とするのは何故? 

高い山に登ったり飛行機に乗った時に耳が塞がったように感じることがあるのは、耳管の圧力調整機能が上手く働かないことが原因と言われています。

一時的な耳閉感は、唾を飲み込んだり鼻をつまんで耳抜きをする事で解消されますが、加齢などにより耳管機能が低下すると、平常時でも耳が塞がれたような違和感や自分の声に違和感を感じる場合があります。

内耳(inner ear)

内耳は「三半規管」「前庭」「蝸牛(かぎゅう)」などで構成されています。三半規管や前庭は重力や加速度を感じるセンサーの役割があり、蝸牛は中耳からの音のエネルギーを電気信号に変換して脳に送り届けています。

蝸牛の構造はとても複雑で、内部は大きく分けると「前庭階」「中央階」「鼓室階」の3層に分かれていて全ての層はリンパ液で満たされています。中央階(蝸牛管)の下壁には「基底板」と呼ばれる膜があり、その上には音を感じるために重要な「有毛細胞」と呼ばれる感覚細胞などがある「コルチ器」や有毛細胞に刺激を与える「蓋膜(がいまく)」などがあります。

有毛細胞はピアノの鍵盤のように蝸牛全体に規則正しく配列されており、蝸牛の入口では高い音に反応し、頂点側では低い音に反応する仕組みになっています。

内耳の蝸牛(かぎゅう)の構造

蝸牛の断面図とコルチ器の拡大図

耳鳴りは脳の興奮が原因 

耳鳴りに悩まされている方は意外と多く、世界人口の約15~20%の人に症状が現れるとされています。また、年齢とともに聴力が低下すると耳鳴りが発生しやすくなり、65歳以上では30%以上の方が耳鳴りの症状に悩まされていると言われています。

そもそも耳鳴りはなぜ起こるのでしょうか?

耳鳴りが発生するメカニズムについては、まだ完全には解明されていないそうですが、最近の医学的研究では、難聴に伴う耳鳴りは「脳が興奮している」ことが原因だと言われています。

どういう事かというと、難聴になり耳から伝わってくるはずの音の信号が脳に届かなくなると、脳は音を聞き取ろうとして感度を上げて興奮状態になり、耳鳴りを発生させるという仕組みです。

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